2012年6月23日土曜日

杏と下手な優しさの招くもの


ある夕方、
一軒だけ行っている出張レッスン(と言ってもうちから徒歩10分)が終わって
外に出た。

家から門まで結構歩く、大きな庭を突っ切るのを
毎回おねえちゃんが付き合ってくれる。
その途中で、これ持って行って!と

杏をもぎとってくれた。
杏の木なんて素敵だ。
生徒ちゃんは毎週、歩きながらいろいろな話をしてくれる。
学校のこと、親友のこと、妹のこと、
おしゃべりは尽きない。

杏は甘くて美味しかった。

出張レッスンは時間のロスが出るので
今では断っているけれど
ここだけは特別になってしまって
もう4年め。
1年後に引っ越しが決まっているそうなので
それまでは、と私も思っている。

もし、この子たち(生徒さんは二人姉妹)が大きくなって
ピアノの思い出と一緒に
私と歩いた門までの道を覚えていてくれたら嬉しい。

さて今週は
発表会もコンサートも一段落してのんびり、のハズが
来年度の時間割が揉めに揉めて気持ちが疲れた。

とくにソルフェージュのグループレッスンの生徒さんたちが
他のお稽古事、ご両親の送り迎え事情など皆バラバラな時間を希望して
ぜんぜんまとまらない。

最後には

皆さんの希望を同時に叶えられる時間帯が見つからないので、
結局今年と同じ時間にします。
ここ数年とてもうまくいっていたこのクラスが続けられれば
私は大変嬉しいですが
この時間帯が無理な生徒さんは
ソルフェージュなしの個人レッスンのみでお願いします。

とメールを書いた。

慌てた感じで
すぐに数人のお母さんから返事が来た。

勝手言ってスミマセン、その時間に来ます!

という感じだった。

それで私もハッとした。
少人数でもグループがあって、
私がその全員の都合を聞いていたから
ダメだったんだ‥。

私たちは大きな機関にはない融通の効くコミュニケーションを
いつも心がけてきたけれど
下手な優しさは誤解や争いを招くということに
最近唸らされている。

こちらから提示する
これがダメならしかたない、という
ある基準はいつも持っていないといけない。

そしてそれぞれが抱えるいろいろな問題に
どこまで踏み入っていいのか。
どこから線を引くべきなのか。
いつも考えている。




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