2018年11月12日月曜日

ゴール


雨の続く南仏、
我が家の小さな庭も秋が
色濃くなっています。

日曜の午後、
とても久しぶりに
年上の友人夫婦テレザとイブに
会いに行きました。

テレザのお母さんが亡くなったと
電話をもらったからです。

苦しまずに静かにサヨナラしたのと
穏やかに語る夫婦に
しんみりとしました。

とてもエレガントなお母さんには
この家で何度か会ったことが
ありました。


彼女の小柄さと静かな笑顔は
パリの恩師を思いださせ、
遠い日々を見ているような瞳に
日本の祖父のことを
考えました。



ここ数年暮らした
ホームの人たちに
本当に良くしてもらった、
亡くなったあとも優しい言葉を
たくさんかけてもらったと
やはり涙をためて言うテレザに
私はただただ頷くばかりでした。

時々、同じような風景を見ていても
急にキラキラと見えて
ドキッとすることがあります。



いつか遠い日々を思い出すとき
こういう瞬間を覚えていたい、

だから言葉を綴り、絵を描き、写真を
撮るのかもしれません。

人は皆
たくさんのゴールに向かって
毎日歩いています。


いつだってここから、
という区切りはなく
気づいたら大人になり
歳を重ね
自分やまわりの
様々なゴールに
喜んだり焦ったり恐れたり
しながら

結局ゴールは新たなスタートであると
毎回気づくのではないかと
思います。


病気が悪、健康を善とするだけなら
こんなつまらない人生はないわよ

先日亡くなった
樹木希林さんの言葉、
なんて気高い。


どうか安らかに‥