最近「学問ノススメ」という
インターネットのラジオ番組を聞いている。
料理をしながら、
洗濯物をたたみながら、
いろいろな話が聞けるラジオはいい。
ネット配信だから好きな時に聞けるのもいい。
毎回様々な専門家を講師としてゲストに迎えるこの番組、
この1週間で何人の話を聞いただろう。
印象に残ったのは
イラストレーターの沢野ひとし、作家の椎名誠、角田光代、
漫画家の西原理恵子、しりあがり寿、そして翻訳家の柴田元幸。
もともと好きな人たちを選んで聞いていたというのもあるけれど
作品は知っていても、
たとえばアメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸氏の声を聞いたのは
初めてで、えーこんなに面白い人なんだ!と嬉しい発見があった。
というのも私は一時アメリカ文学にはまって
図書館で借りてよく読んでいたのだけど
その時に翻訳が柴田元幸だと断然おもしろい!(私にとっては)
何を読んでも
文章がニュートラルで作家の味がそのまま伝わってくるというのに気づいた。
ちなみに同じ本を村上春樹が訳していると
どうしても春樹サンの本、という気がして
のめりこめない。あっぱれ柴田!と勝手に思っていたのだ。
その柴田元幸氏は東京大学の先生でもある。
なのに(だから?)ぜんぜん難しいことを言わず、
どちらかというと、ちょっとのらりくらりと私の好きな感じの話し方。
だいたい私は自分が優柔不断なので
あまりにもテキパキした話し方の人は信用できない。
そんな根拠も無く自信もって話すのってどうなの?
テキトーに言ってんじゃないのホントはッ?とつい疑ってしまう。
さて柴田氏が言うには
なんでも「目的を持ちすぎてはいけない」。
たとえばあの本を買おう!と意気込んで本屋に行くとそれしか頭に無いけれど
目的を持たずにぷらりと本屋に入ると意外と掘り出し物があったりする。
「あれ」を見よう!と観光地に行って必死になって「あれ」だけを見て
まわりを見ない、ガイドブックに載っていることを繰り返して
自分だけの感想をもたない、
そんな旅はつまらない。
留学する学生にも目的を持つなと言うんだそうだ。とりあえず行ってこいってそれだけ。
目から鱗!
そして頭がすーーーーっとした。
つまり目的って聞こえはいいけど下心だもんな。
元を取らなきゃ!っていう下心。あんまりエレガントじゃない。
そして、目的がハッキリしなくたって
とりあえずやってみればいいんだ!と思ったら気が楽になった。
いかにも成功しそうなことではなくって、本当に好きなことをとにかくやる。
やっていたら何か形になるかもしれないし
ならないかもしれない。
でも好きなことをやる。大事なのはその過程。
ああそうだったそうだった。
何かしようとしている時に、
それをしてどうするの?どうなるの?って言う人は下心だけ!
ついでに、人の話を聞くインタビューの専門家、 といえば
最近読んだこの本『聞く力』も、とてもおもしろかった。
阿川佐和子さんのエッセイはいつも元気をくれます。
ワレがワレがのフランス人、
人の話を聞かないから音痴が多いのではないか?という
友達の話に思わず納得してしまった、たしかに
聞く力、って話す力と同じくらい、もしかしたらもっともっと、大切。
それからこの本を読んだらちょっとだけ、
人見知りが治りました。
心を閉じちゃいけないなあー
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