2012年3月17日土曜日

どこ吹く風で思い出ぽろぽろ

先週遊びに行ったときに、マミーがこんな絵をくれた。
うわ!と思わず言ってしまった。
すごくきれい。
昔エジプトで買ったんだそうだ。


だれが何を好きそうかよく注意していて
マミーはいろんなものをいろんな人にあげる。

私にくれるのはいつもアンティークの手袋とか缶とか‥

もうずっと前、パリで一緒に蚤の市に行ったことがある。

見ている先から
こんなの昔はすごく安くでどこでも売ってたのよ!と
買うのを止められて、私はかなりふてくされた。

マミーとはもう蚤の市に行くまい‥と帰ってから夫に告げ口した。

けれどマミーはどこ吹く風で
あれもあったねえ、これもあったねえ、と楽しそうに話している。

た、たのしかったんだろうか?文句ばっかり言ってたくせに!
と思っていたら
それからいろいろくれるようになった。
エリコは古いもの好き、と頭のノートに記録したらしく、
しっかり私のツボに合うものをくれる。

手芸の得意な私の母にアンティークレースをたくさんあげたのもマミーだ。
そして昔の写真もよく見せてくれる。
いつもしゃべっているから
夫も私も冷やかしてばかりであんまり真剣にマミーの話を聞かない。
だけどマミーはどこ吹く風で
これがおじさん、これが隣の子、これが従兄弟‥と
やっぱり楽しそうにしゃべりながら写真を見せてくれる。
しわしわの手の中でセピア色の写真はこんなに
エレガントだ。


船の旅に出ている孫(夫の妹マガリー)から連絡がくれば
今ここね、と言ってすぐに世界地図を広げる。

地図にはあちこち点がついている。
毎年旅行に出ていたマミーだけど
やっぱり年々家を空けることが少なくなった。

だけど思い出を語る瞳はいつもキラキラしている。


どこ吹く風って体にいいんだと思う。

マミーはどんどん軽く明るくなっているもの。





Merci !
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