2008年2月25日月曜日

都会の音と空気、そこに住む人々




パリに行った。
実に8ヶ月ぶり。

何年も暮らした場所だから
帰郷のようなもの。
その間あちこちに引越して、
たくさんの街角と
たくさんの顔を見てきた。

石畳を踏んだとたんに
あの活気あふれる、
それでいて気の抜けたような
甘く自由な
パリ独特の空気を感じる。

コンサートの合わせ、
ヨガの集中レッスン、
蚤の市、
そしてなにより大切な友人たちに
再会して
時間を気にせず言葉を交わして
それだけで
勇気がムクムクとわいてくるのを感じた。

最終日に地下鉄で乗り換え中に
いつもよく聞いていた懐かしい音楽が
鳴っていて
本当に一瞬、胸が苦しくなった。

音楽の力を感じる。

そして瞬く間に
時間は去る。楽しいことはいつだって
束の間だ。

さあ、きちんと前を見なくちゃ。

2008年2月14日木曜日

まるで桜のような





おばあちゃんの80歳の誕生日を祝いに、
連れあいの実家へ行った。
庭のアーモンドの花が今年も満開である。
この木は薄いピンクのまるで桜のような
花をつける。
この辺りでは今頃が時期だけど
パリではちょうど
東京の桜くらい、4月の頭に
よく見かけた。

たっぷりのごちそうのあと、
ケーキをいただく。
スーパー元気、ギネスもの!と
皆にびっくるされるマミー。
この私が80とはねえ、としみじみため息をつき、
けれどすぐに気を取り直して
あと10年は現役よ、と笑った。

私はそっと日本にいる祖父母を想った。

2008年2月10日日曜日

忘れるために覚える


いやな咳が出るな、と思って病院に行くと
インフルエンザと言われた。
熱もないのに?と聞くと「これから出ますよ」。
そしてそれはお医者さんの脅しではなく、
たっぷり39℃まで上がって
体の節々が痛くなり、
もう熱いのか寒いのか
わからないまま
モウロウとして3日間寝込んだ。
だいたい私は平熱が36℃を切る低体温で、38℃を超えることは
めったにない。
薬と一緒に処方箋にあった吸入器は、沸騰したお湯にハーブの
錠剤をとかして鼻から吸う、というもので
これが喉鼻をすっきり通す。
形も色もシンプルでよい。

ところで本気で寝込むと本も読めないけれど、そういう時に
私は暗譜をすることにしている。
目を閉じて頭の中で音符と鍵盤を並べて集中しようとすると
しばし痛みを忘れるからだ。
なにしろモウロウとした頭を使うのだから
なかなか大変なのは事実だし、そういうときは内側まで
休めないといけないのかもしれない。
けれど私にとっては何もしないでぼうっとする
(そのようによく見られるのだけど、そんなことはないのだ)というほうが難しく
痛い、つらい、苦しい、と非生産的なことばかり考えてしまうので
こういう時こそ寝ながら(でも眠れない時に)頑張るのだ。
そしてこれは嫌なことを忘れたい時にもよく効く。

2008年2月7日木曜日

キャベツ




パリに留学した1年目に日本から来た母がトンカツを作ってくれたことがある。
そしてトンカツの横にいつも連れ添うのはキャベツの千切り。
フランスのキャベツってこんなに硬いの?!と
悪戦苦闘しながら
母が切ってくれたキャベツ付きの
トンカツはとても美味しかったけれど、
そのとき自分では絶対に切るまい、とひそかに決めた。

だからお好み焼きをするときも、いつもモヤシを代用していた。
ところが先日スーパーで紫キャベツを買った。
硬いから切りたくない、という私に
連れ合いが言う。うちには道具があるじゃないか!

道具?
実はこの銀色のチーズ削り器の横にスライサーが
ついていて、それでキャベツが簡単に
切れるんだそうで、そんなこと知らなかった。

というわけで紫キャベツをたっぷり食べた。
ビタミンCも豊富。

ちなみにトンカツと一緒に食べると
キャベツの食物繊維がカツの脂肪の吸収を抑えるとか。

2008年2月4日月曜日

赤ちゃんと動物


月に一度、近くの町の赤ちゃんクラブで音楽体験クラスを受け持っている。
0歳から3歳までの、まだ言葉も話せないような小さな子供達に
45分のレッスンを3クラス続けてやる。


この準備がなかなか大変でいつも頭を抱えているのだけど
今日はちょっと嬉しかった。
というのはいつも反応の薄かった女の子が
ずっとニコニコして歌ったり踊ったりして
帰りがけに私のところに来て「さよならエリコ」と恥ずかしそうに言ったのだ。
さて子供達は本当に動物が好きで
動物の歌や、動物カード(鳴き声のCDとカードのセット)、動物のお話と音楽、と
いろいろ用意しているうちに私もちょっと動物に目ざとくなってきた。
ここでは動物にひょっこり出会う確立もとても高い。
知り合いに羊飼いもいる。
リンク:赤ちゃんクラブ

2008年2月2日土曜日

扉開く






待ちに待った図書館のオープニング!
朝からたくさんの人が集まって、
いかに大変な工事であったか、
これまでいろいろな協力があったか、
など強い風のなか、村長さんの挨拶を聞く。
そして赤い緞帳が開くとふたり芝居による(この役者さんたちがものすごく上手かった)
おもしろおかしい図書館の説明があり、ずらっと並んでやっと館内見学。

壁一面が大きな窓になっていて見晴らしがよく
こんな田舎で近代的な北欧風インテリアとはイカしている。
奥には展示室もある。
CDもDVDも貸し出し無料、注文も可能。

すっかり宣伝文句調になってしまったが
小さい頃から長い時間を図書館で過ごしてきた私には
本当にちょっとした事件なのだ。

やったーやったーやったー!!!