2012年4月29日日曜日

ふらんすはあまりにもとおし?




6月のコンサートのテーマはフランス音楽。

フォーレ、プーランク、ミヨー、デュカス、ラヴェル、
5人の作曲家の曲を連弾、2台ピアノで演奏します。

どうしてフランスに来たの?

と、よくフランス人に聞かれます。

フランス音楽が好きだから、と答えることが多いけれど(納得されやすいので)
本当はフランス音楽というより、フランスの文化一般になんとも子供っぽい憧れが
あっただけでした。

絵描きである私の祖父には若い頃パリ留学を断念した思い出があり、
そのことをよく語っていたので、
なんとなく夢のような国に思えていたのかもしれません。

ふらんすにいきたしとおもへども
 ふらんすはあまりにもとおし

という萩原朔太郎の詩も祖父が教えてくれました。

小学校の卒業アルバムの
大人になったら行きたい国、という欄に
なんと「おフランス」と書いていたのをちょっと前に発見しました。
当時アニメのおそ松くんが流行っていて
シェーッで一世風靡したイヤミが
「おフランスおフランス」言っていたからだと思います。

ふざけたつもりだったのか、本気だったのか‥‥全然記憶にありません。


そして今考えると難解で意味不明だった
フランス映画を10代の頃、私は無理してよく見ていて
そのなかで退屈そうな顔してボソボソしゃべるフランス人たちを
かっちょいーーーー!なんて単純な理由で
大学の第一外国語にフランス語を選んだのです。

今でもそうかもしれないけれど、当時の音大といえばドイツ語圏が
圧倒的に重要視されていて、フランスはマイナーでした。
そのマイナー派、フランス語のクラスで知り合った友達とは変わり者同士(?)
ずっと変わらず大事なつきあいが続いています。

その他卒論でお世話になった先生や
中高時代ピアノのレッスンをして下さっていた先生が
パリに留学していたことなどが重なり
いろいろな情報を得ることが出来て留学となったのですが、
実際に住んでみればパリには日本人がたくさんいました。


先日書いたように日本食も手に入りやすくなったし
インターネットや円高のおかげで
ふらんすはあまりにもとおし、
という感覚も今ではずいぶん変わっていると思います。

そして映画の中の女優のようにボソボソかっこ良く喋るはずが、
どうやら私のフランス語は今やすっかりマルセイユ訛りに
なっているらしく、
時々びっくりされます。
たぶんダニエル・カールの山形弁みたく聞こえるんでしょう‥

そんないろいろな夢と現実のギャップを感じながらも
フランス音楽を演奏する時だけは
ここに来てよかった!と絶対に思います。

パリで勉強していた時は
先生に技術的なことよりもまず
美術館に行って絵をたくさん見なさい、
教会に行って空気を感じなさい、と言われました。


クラブサン?というようなカタカタなる古いプレイエルやエラールの
ピアノがだんだん指になじんで来るとき、
一見クールで繊細な表情をしながら
自分を強く持って周りに左右されないフランス人のエスプリに触れるとき、
私はまだまだ
ああここに来てよかった、と思うのです。


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2012年4月26日木曜日

和食万歳

現在復活祭の春休みを地味ーに満喫中。

とくに旅行もいかないかわりに
ピアノを弾いたり(6月の連弾コンサートの練習をようやく‥)
本を読んだり
花を植えたり
あちこち片付けたり‥
そんなふうに普段時間をかけられないことを
なるべく丁寧にしています。

そんななか、パリから日本人の友達が遊びに来てくれて
健康オタク同士、いろいろな情報交換をしました。

日本食ブームの勢いは止まらず、
とくにパリでは
日本のお弁当屋さん、日本のパン屋さん、などが大人気で
フランス人が普通にコンニャクを買ったりしてるんだそうです。

うちの近くでさえ、
今や枝豆や豆腐が買える!
写真の豆腐はそのお友達がくれました。
ビオのお店で買えるんだそうです。
フランス製の豆腐、しっかりした味で美味しい。



たとえば我が家の今夜のメニューは
ごはんに納豆&焼き海苔、お漬け物、

豆腐ハンバーグの椎茸&しめじソースがけ、
根菜スープ。


あー幸せ、便利な世の中になりました‥


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2012年4月22日日曜日

花市にて Au Floralie


週末の市めぐりが続いています。
今週は毎年恒例、うちの村での花市!
2月に南仏にはめずらしい氷点下が訪れて
庭の草木がすっかりだめになってしまった、
と皆が嘆く今年の 花市は
想像以上の人ごみでした。

加えて値段もいつもより良心的。



我が家もつるバラやらゼラニウムやら買い込みました。


そして!
2年前に 湯のみを買った陶器作家さんに再会して
小さな湯のみをふたつ購入。
このシリーズ、ちっちゃくて場所を取らないし
お客さんがあるときに、
お揃いだけどひとつずつちょっと違った湯のみを
出せるので便利なのです。



お茶の屋台で
最近ハマっている
ルイボスティーの葉っぱも買いました。

天気が良くって
お出かけしすぎな4月です。








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2012年4月21日土曜日

あんまりな猫可愛がりはしない



Dompteur de fauve
猛獣使い


Toujours ensemble
いつも一緒


Qu'ils sont adorables...!
かわいいぞ 猫たち!














おれはとらちゃんを撫でてやったり抱いてやったりするが
あんまりな猫可愛がりはしない。
なぜなら猫というのは孤高で神聖な生き物だと思うからだ。

(中島らも『とらちゃん的日常』より)

あんまりな、の「な」に同感。

おっとりと、しかし辛口でいつもおれ調のらも氏が
文中でずっと「とらちゃん」と呼んでいるのがおかしい。
猫には
ヒトを狂わせる魅力があると思う。


さて我が家の黒猫エベンヌはそれこそ猫可愛がりされるのが大好きで
自らすりすりと誰にでも寄って行く。


けれどプライド高きアルバトロスは
お客さんに赤ちゃん言葉で話しかけられたり
いきなり撫でられたり
もしくは抱っこされたりした日には
ものすごくムッとする。

これはエベンヌが来てから始まった。


たぶん
誰かさんといっしょにしないでくれい、こちとら大人の男ですぜ!
と思ってるんじゃないかな。






せっかくかまってくれたお客さんに申し訳なくて
私はオロオロするけれど
そのきっぱりした態度にはちょっと憧れる。

そのくせ私たちにはものすごく甘えん坊で

(今もパソコンのキーボードを打つ私の膝の上にいる)
とくに赤ちゃんの頃から育ててくれた夫には
それはもうべったり。

エベンヌみたいに愛想よく生きられたら楽だろう。



だけど
皆を好きになれないように
皆から好かれる必要もない、
アルバトロスはそれを全身で教えてくれる。






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2012年4月18日水曜日

仕事の変化

これ、2年前に描いた幼児クラス募集イラスト↑
この年は結局お試しレッスンの日に人数が集まらなくて
おじゃんに。

その前は子供達だけのクラスを2年やって、
喧嘩の仲裁ばっかりしているので疲れてしまい
お母さん(父兄)と子供達のクラスを
作ろうと思ったのだけど、
興味を持ってくれる人は
殆どいませんでした。


そして今年、
何人かの若いママさんたちに押されて
新しいクラスを開設!

月に2回、
お母さん(時々お父さんやシッターさんも)と3歳から5歳の子供達と一緒に
レッスンをしています。

6月の発表会は簡単な体操と歌の発表で
幼児クラスからスタートする予定。


うちから30分くらいの町では
新しい赤ちゃんクラブができて、
そこに月1で音楽の出前をしています。
毎回、日本の文化と歌を紹介してほしいと言われて
それが思いがけず好評(たぶん赤ちゃんより保母さんたちに‥)で
私にとっても新しい発見がたくさんありました。


ピアノのレッスンでもすごく小さい子たちと接することが
増えています。

こんなに小さいのにピアノをやってるの?
先生は特別なメソッドを持ってるの?って聞かれるんですよ

とあるお母さんに先日言われて

えーっとびっくりして、
それからちょっと、嬉しかった。

なぜなら
幼児教育って本当に意味があるのかな?と思いながら
いろいろな方法を試して
いまやっと自信を持っておすすめできる
自分なりの指導法が
身についてきたからです。

身につく、というのは文字通り
小さい子供達を目の前にして
言葉がすんなり態度と一緒にでてきて
こっちだよ!と体を使って導くことができるようになってきたってこと。
いろいろなケースに合わせて
臨機応変でプログラムを変えたり
即興したりできるようになってきたってこと。

ご両親や保母さんたちとも
以前よりもずいぶんリラックスして話をしています。

まだまだできないこともたくさんあるけれど、

日々反省ばっかりしているスローテンポな私にとっては

そんな些細なことでも、大きな進歩なのです。



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2012年4月16日月曜日

猫ブック はじめの章 Néko-Book épisode n°1

Néko-Book





2010年4月13日
エベンヌがうちにやってきた。
ケージの中で緑の鼻水をたらして
じっとしていた。
 

アルバトロスは
エベンヌを不思議そうに見つめた。
わたしたちと暮らして5年、
愛情いっぱい、わがままいっぱい、
相棒がほしいなんて

一度もねだったことはない。



アルバトロスは思った。
「これ、どうして僕のイスに座ってるんだろ」




「どうして僕のごはんを食べてるんだろ」




「‥‥どうして抱っこされてるんだろ?」


à suivre...つづく




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2012年4月14日土曜日

音楽の蚤の市にて Aux puces musicales

隣町で開かれていた
音楽の蚤の市に
行ってきました。
場所は私がダンスのレッスンに通っている
体育館みたいなホールで、
企画先はこの間知り合った人、
他にウクレレ弾きの友達も出店すると聞いていたし
楽しみにしていました。


安くでおもしろい楽器を買い込もう!
古い楽譜なんかもあるかも?
なんて
期待していたけれど
思ったよりも
お店もお客さんも寂しくて残念でした。

売り子として登録していた人たちが
たくさんキャンセルしたり
来なかったりしたんだそうです。

いい加減だなあーー

私が音楽の出前に行っている
赤ちゃんクラブの保母さんたちが前に企画した
赤ちゃんグッズのガレージセール、というのも
疲れたーっ、もういいかも‥!
と保母さんたちが苦笑していたので
こういう市を企画するのは大変なのかもしれません。


掘り出し物を探しに行くだけなら楽しいけど。



とはいえ、ジャンベと竹のウッドストック、
クラベス
買って満足。

これ3つ買うから安くして!と
おじさんに値切ったら
(こういう時さりげなく私のそばを離れるオット、え、恥ずかしいの?!)
じゃあクラベスはおまけでいいよ、と言ってもらえました。


この打楽器、年度末の発表会で使う予定です。




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2012年4月9日月曜日

陶器市にて Au Marché des Potiers 2012

一番いい季節、と多くの人が思う春や秋が短いのには
なにか意味があるのでしょうか。


この頃お天気がよいので
週末はあちこちでいろいろな市がたっています。

去年と同じリュべロン地方ボーニュ村の陶器市に行ってきました。


今年は友人一家とピクニックも兼ねて。

料理上手なお友達に甘えて

青空の下、ヒマラヤ杉の森の中でお弁当をごちそうになってしまいました。贅沢!


さて陶器市、今年もいろいろなお店が出ていて
とても楽しかったです。
私はこの扉に惹かれてしばらく見ていました。
夢がある!
お値段も夢があってとても買えないので、
見てただけですけど‥




そして楽しい音楽家のおじさん達、
すっごくイカしてた!
ミニピアノの合間にトランペット、
足はドラムやタンバリンでリズムを刻み、歌も上手、
というチンドン屋さんの鏡みたいなおじさんでした。うらやますい。



今回はカップばかり買ってしまいました。
こちらは淡い絵柄とサイズに一目惚れした湯のみ、
右が菖蒲で左がひな菊だそうです。
お漬け物やおひたしを

いれてもいいかも?

去年買ったコーヒーカップがとても使いやすいので
同じ作家さんのマグカップも購入。

これは夫がどうしても欲しい!と言って
買っていました。
彼の好きなスチームパンク
(ラピュタみたいなレトロフューチャー)のスタイルで
私にはよくわからないけれど
本人はこれでホットチョコレートを飲むんだ!と
はりきっています。

じゃーん


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2012年4月8日日曜日

ピアノリサイタル in 教会

昨日の土曜コンサートに出演してくださったルトゥルミー谷口玲理さんです。
お客さんも身を乗り出して聴き入っていました。


Récital de piano de Reiri Taniguchi-Letourmy
私にとっては久しぶりに聴く玲理さんのピアノ、
さらに叙情的に素敵になっていて
 最初のラモーで胸がぐーっと熱くなりました。
パリ郊外の音楽院で
先生と伴奏のお仕事をしながら
あちこちで演奏活動を続ける多忙な玲理さんです。
ラモー、リスト、シューマン、シャブリエ、という
体力のいる華やかなプログラム。

リストの「エステ荘の噴水」では
キラキラ光る水の音が聴こえてくるようでした。
怜理さんがイタリアの太陽の下で過ごした時間が
この音色を作ったのかしらん‥なんて勝手に想像しながら‥






復活祭の連休中にも関わらず
教会も満員で、
暖かい雰囲気に包まれたコンサートになりました。

今年度の土曜コンサートも残すところあと2回、

次回は玲理さんのダンナ様ヴァンソンを
ゲストに迎えます。




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