2007年8月25日土曜日

残暑、エクスにて




エクス.アン.プロヴァンスで一週間、ダンタイソン氏の講習会を受けた。レッスンはホールで行われ、殆どマスタークラスの雰囲気。同じ譜面を再現しているのに、とがっくりくるような、ものすごく深い音色で「こういうふうに!」と言われても、そこには気の遠くなるほど遠い隔たりがある。日本から帰ったばかりのバカンスモードの抜けていなかった私は途端に目が覚めた。それも急激すぎて、あまり良くない目覚めだ。ともあれ熱のあるいいレッスンだった。後々まで役立つことを短期間でぎゅっと教わった。モーツアルトのソナタを持っていたのでピアノフォルテのレッスンも受ける。ピアノフォルテは古典派後期からロマン派にかけて演奏されたピアノの素になった楽器だ。鍵盤は5オクターブしかなく、今の楽器では中央ばかり弾いているような曲も実は鍵盤の端から端まで駆け回るような曲だったのだとびっくりする。私が弾いた楽器はペダルが5つもあり、それぞれの機能は興味深い。息抜き、といいながらほぼ毎日覗いていた大通りに出ている夏のマルシェ。どのお店も色合いがシックでとても
楽しい。かわいいクマの中身はラヴェンダーで香りもよし。

2007年8月24日金曜日

準備




9月の新学期に向けて音楽教室の看板をつくった。
手作り教材もこれまでのものに加えて新しく製作中。こういう作業はわくわくして好きだ。

2007年8月19日日曜日

和室完成




引っ越したら畳にして布団で寝る、という計画が進んで和室が完成した。奥の小さなスペースは棚やバーを取り付けてクローゼットにし、イケアで買った障子風のスライド式カーテンでしきる。壁にかけた掛け軸は、この夏に日本から持ってきた。竹製の方は実家で一緒に暮らしていた祖父母にもらったもの、濃紺の方は小さな頃からお世話になっている書道の林先生のプレゼント。好きな字を書いてあげる、というありがたいお言葉に甘えて夢と書いて頂いた。外国に住まなければ、これほど強い憧れのような気持ちをもって日本文化の素晴らしさに気づくことはなかったかもしれない。
イグサの香りに包まれて今日も良い夢が見れそうです。

2007年8月18日土曜日

いろいろな色


陽の光が強いからだろう。ここでは何もかもがくっきりとカラフルで、眩しいほどだ。多くのフランス人は太陽が好きで好きでたまらないから、夏はいたって陽気。そんな中で私は穴から出たモグラのように少し怯えている。紫外線には充分気をつけなきゃいけない。でも晴れ上がった空を仰ぎたいのも本音。薔薇が枯れそうになっていたのでポプリを試みる。バブーシュと呼ばれる室内履きは友人(モロッコ人)のお土産、これも色が気に入っている。

2007年8月17日金曜日

風にはためき


先日家族が集まったので彼は甚平を着てはりきって巻き寿司をつくった。南仏に引っ越してきて嬉しいことのひとつ、洗濯物が乾く!外観を守るために外に洗濯物を干すことが禁じられているパリでは、洗濯物がなかなか乾かなくて困った。洗濯機がなかった頃は週に二回近くのコインランドリーに通い、乾燥機を必死で確保したり、小銭をくずしたり、それはそれでいい思い出だけど、やっぱりお日様でぱりっと乾いた洗濯物は気持ちいい。ただ南仏特有の大風ミストラルに吹かれないように、洗濯バサミがたくさんいる。

2007年8月15日水曜日

帰省



一年半ぶりに日本に帰った。食べたかったものを食べ、会いたかった人々に会い、すっかりリラックスしてあっという間に日々が過ぎた。両親の育った鹿児島にも行き、お墓参りをした。じりじりと焼けるような日差しのもと、墓石にひしゃくでお水をかける。ああ日本にいるんだと思った。武家屋敷を改築したというおそば屋さんに行ったり露天風呂に入ったり、今ではもう懐かしい。埼玉の実家に帰ってからはお習字のレッスンも受け、充実した休暇になった。親切の貯金だね、といった友人の言葉にどきっとする。そうだ、またフランスに戻って新しい生活が始まって、ちょっと苦しいときなんかにはこういう何気ないたくさんの瞬間を思い出すだろう。それがビタミンのように元気をくれるだろう。だからこうして時々帰るのは必要だ。