2007年5月27日日曜日

牧神の午後への前奏曲


フランスには音楽祭の日fete de la musiqueがある。6月21日、今年は木曜日だ。この日は夕方から夜にかけて
コンサート会場はもちろん、路上やカフェや様々な所で様々な音があふれて、弾く人や歌う人や聴く人や踊る人や、とにかくたくさんの人が音楽を楽しむ。私は今年は自分の勉強を続けている学校のコンサートで、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」をやることになり、今週末は合わせに追われた。ご存知、オリジナルはオーケストラ。私たちが演奏するのは、1926年にシェ-ンベルグが企画した予約制サロンコンサートのために10人の小編成(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、クラリネット、ハーモニウム、ピアノ)に編曲された曲だ。ピアノのパートはハープのパートを奏でるところが多く、聴き比べるとおもしろい。とにかくため息が出るような美しい曲である。会場はお城。というのもパリ郊外のこの学校、庭にお城がついていて、試験やコンサートはここで行われるのだ。 音楽祭の日に、お城でドビュッシーはいかがですか?
注:Chateau de Ville d'Avray 10,rue de Marnes 9241o ville d'Avray
サン・ラザール駅からSNCFで15分、Sevre Ville d'Avray駅
6月21日夜8時より

2007年5月23日水曜日

心臓



思わずスーパーで目をみはって買った大きなトマト。その名も''Coeur de Bouf-牛の心臓''だ。包丁を入れると実がぎっしり、甘くて美味しい。キュウリとあえて、バルサミコ酢と塩コショウで食べる。
心臓といえば今夜はテレビで、パリの心臓、セーヌ川についてのルポルタージュを見た。
観光地として知られるセーヌ川、昔は洗濯や水浴びの場として親しまれていた。現在も船の中で暮らす人、ジェットスキーや釣りを楽しむ人、橋の下のクラブ、など様々な生活が息づいている。セーヌをパリ21区にしたい、と語った
人が印象的だった。

2007年5月22日火曜日

エッフェル塔


大学1年の時初めて旅行でパリに来た。帰ってからフランス語の授業で「パリで何を見ましたか?」と聞かれ「エッフェル塔を見ました」と答えて笑われた。もっといろいろ見たのになんてバカみたいな答えだろう、と恥ずかしくなったのをおぼえている。今は7区に住む生徒さんがいて、毎週エッフェル塔を仰いでいる。今ならその答えも恥ずかしくないような気がする。やっぱりエッフェル塔はとてもパリらしいと思うから。夜チカチカと誇らしげに輝いているのもいいけれど、昼間に曇り空の下で恥ずかしそうにそびえたっている様子もいい。

2007年5月18日金曜日

散歩中に





うちの近くのペレール大通り(Bld.Pereire)には、ふたつの道路の間に長い長い公園がある。
子供たちが遊べるような遊戯スペースから大人がゆったりと読書したりおしゃべりしたりできる木陰のベンチまで、
道路に挟まれながらも公園らしさはちゃんと揃っている。そしてなんといってもここの魅力はバラのアーチである。
ぽってりとした淡いピンクにハッとするような真紅、この夢のようなバラのトンネルを初めて見たときは本当に
くらくらした。個人的にはひっそりとしたミニ薔薇の方が好きなのだけど、そして薔薇はツボミの形が一番可愛い、とひそかに思っているのだけど、やっぱりこの豪華さには やられます。
今日も買い物に出たついでに散歩していたら、公園の前をさっと横切る影がある。
なんと後ろに2人乗せて走る自転車だ!ええ?!っと思っていたら
うちの前のホテルで止まって、英国人らしいふたりのマダムがサンキューといって
降りていった。新しい観光スタイル?赤いクラシックな馬車を思わせる自転車で なかなか趣がある。
運転手のおにいさんが息切れ気味で、自転車には乗らずに押して走っていたのが、
ちょっとおかしかった。

2007年5月16日水曜日

書く作業



コレクション、というより必需品。私はノートが大好きで、文房具屋に行くと血が騒ぐ。[ノート]というカタカナの響きもいいと思う。なんとなくまだ真っ白という感じのする単調な響きが。フランス語ではcahier(カイエ)という。ノートにはいろいろ書く。計画とか作戦(!)とか観た映画とか読んだ本とか、お料理のレシピとか家計簿とか。書く作業は私をホッとさせる。
書かないといられない、という性質は祖父と父に似ているらしい。祖父は自ら和紙や皮を使ってノートを
作ったりもする。私はフランスに来て、ますます書くようになった。書かないといられないことも多くなった。

というわけで今日も新しいノートを買ってご機嫌である。単行本のようなしっかりした表紙のついた渋いノートだ。
さあ書こう。

2007年5月14日月曜日

街角にたたずむ絵



モンマルトルの近くを歩いていたら1枚の絵が目の前に飛び込んできた。小さなギャラリーで
Maurizio DUSIOという画家の展示をやっている。物悲しいセピア色と崩れた輪郭で、どの絵も廃墟のような懐かしさとファンタジーに満ちている。
あいにくお昼の時間で閉まっていたため外からしか見られなかったけれど、窓を通してシックな色合いの絵にカラフルな初夏の町並みが写り込んで、それはそれでおもしろい。
町を歩いていて思いがけずハッとする瞬間は、いつも得した気分で楽しくなる。

今日のおやつは日本人の生徒さんに頂いたミニ最中、美味。

注:Exposition[Maurizio DUSIO] 5月28日まで。
Galerie La Rotonde 23rue Eugene Carriere/126bis rue Lamarck 75018 Paris

2007年5月9日水曜日

修道院の音



毎週水曜日の午後はヴァンヴ市内の修道院の一室でピアノを教えている。
あと2ヶ月弱で南仏に引越すので、近頃ちょっと感傷的になっているのは本当だけど、
それにしても私はこの場所が気に入っていた。
重たいドアをあけると静かな薄暗い昔の図書館みたいな匂いがして、全く非現実的なのだ。
寒い冬の日に暖房がほとんど効いていなくて、コートを着て教えていたこともあった。
レッスンの合間や終ったあとによく自分の練習もした。
古いガボーのアップライトピアノがあって、いつ調律したのかしら。。というくらい
見事に狂っているのだけど、ひんやりとした鍵盤に指が吸い付くように落ちていって
やわらかい音が静かな空間によく響いて溶けていく。
時々お年のいったシスターがのぞきにきて、にこにこと「今の曲すてきね」などと
声をかけてくれる。その度に飛び上がる程びっくりした。それもまた現実ではないような
気がして。仕事を終えて外にでると今の季節は外の方が暖かく、一気にこの世に戻ってきた、
というように息をのむ。本当に毎回忘れていたかのように。

2007年5月8日火曜日

コウノトリ誘拐事件



お昼のニュースを見ていて思わず吹き出した。
フランスの田舎町のパン屋さんで置物のコウノトリが盗まれたという。
特に変わった置物でもないから盗まれただけでもおかしいのに、なんとそれからパン屋さんにカードが送ってくるんだそうだ。世界各地の建物の前にコウノトリが写っていて「元気です。もうすぐ帰ります。コウノトリ」とかなんとか
書いてあるカードが!どこかで聞いた話だし、やらせ?と思わないでもないけれど、ユーモアがあっていいなあ。
パン屋さんは今ではそのカードをボードに貼って飾ってるそうだ。

先週のお天気はどこへやら、昨日から曇り空。それでもベランダではゼラニウムが咲き乱れてます。

2007年5月6日日曜日

日曜日20区



パリ20区ガンベッタ駅の近くに畳や布団を扱う寝具店があると知って今日は相方と午後から出かけた。
今度の南仏の家、寝室は畳をひいて和室にするのだ。FUTON,とフランスでは呼んでいるが、日本のお布団とこちらのマットレスのアイの子、といった感じ。寝転んでみるとなかなか気持ちよい。この硬さは背中にもよさそうだし、畳には癒し効果もあるらしい。今日のところは見学ですませて店を出ると、お天気の良い日曜日、このまま帰るのはもったいないねとペール・ラシェ-ズ墓地を散歩することにした。ペール・ラシェ-ズには
ショパンやプーランク、ピアフのお墓などがある。といってもショパンは本人の希望で心臓だけは祖国ポーランドに
持ち帰られたという。外国で生涯を終えるとき、人はどんなことを思うんだろう。

2007年5月4日金曜日



5月になって南仏からパリに戻ってきた。南に負けない日差しと気温にびっくりして夏服をたくさん出す。
と思ったら今夜は突然ざああっと雨が降ってきて、傘をさしてリバネごはんを買いにいった。
季節がら、
あちこちでうつくしい薔薇を見かける。今日はcacharelの 香水AMOR AMORをつけた。

♪リバネごはん=お持ち帰りのレバノン料理、お肉やチーズの揚げ物やシソの葉のサラダなどが安くて美味しく食べられます。
''Elissa(rue Laugier /PARIS 17em)''