2010年1月28日木曜日

わかりません





暮しの手帳の編集長、松浦弥太郎の
『今日もていねいに』のなかに
「わからない箱」という章がある。
本や新聞を読んでいて、または人と話をしていて
わからなかったことを紙にさっと書いて
箱にしまっておく。そしてひと月に一度くらい
箱を覗いてわからなかったことを調べる。
自分の弱点がみえてきて独学がはじまる。
これを読んだ時、私はすごくいいなあと思った。
箱はたくさん持っているのにまだ実践できていない。

大学のとき尊敬していた美学の先生が
生徒の質問に考え込んだ末、
「それはちょっとわかりません」とあっさり言ったことがあった。
そりゃあえらい先生だからだと思うけど
潔くてステキだった。

わからないことはわからないと言う方がいい。

さてこの本は
図書館で目に留まった表紙から一瞬にして
そんなエピソードを思い出させた1冊。

好きな言葉は緑の箱に、
悲しい言葉は黄色の箱に、
いつでも使える言葉は青い箱に‥。

色がとてもきれいだ。



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2010年1月25日月曜日

引退



「私もあなたたちが恋しいわ!」

という一行で始まったのは
私たち夫婦の懐かしい恩師のお便り。

遅ればせながら新年のご挨拶を送ったところ
今朝さっそくお返事が届いた。
達筆すぎて読みにくい
懐かしい懐かしい先生の字。

学校を退職されたというびっくりするニュースを聞いて
なんと書いていいかわからず
あけまして‥という決まり文句のあとに
「先生が恋しいです」
なんて子供のように付け足してしまった、その言葉を
ちゃんと受けとってくださった。

私が留学した10年前に既に80歳近いという噂のあった先生なのに
いつまでもあの学校でびしびしレッスンをされていると
なぜか誰も疑わなかったのだ。

先生から教わった事は
今仕事をするうえで、ものすごく役に立っている。


目を開いて
耳を澄ませて
心を込めて
正確に。

いちばん美しいのは、いちばんシンプルなもの。

今の私には学生時代のように、毎日5時間も6時間も練習を重ねることは
なかなかできず、恥ずかしくてもう長い事レッスンには行っていない。
それでも毎日できることをやろうと思っている。
やめたらそこまでだと思っている。
先生のカードは「ぜひ近況を知らせてください。メルシー、メルシー」と締めくくってあった。

次回パリに行ったら
先生に会いに行こう。


"Vous me manquez aussi!"

La lettre de Mme Bonjean,notre professeur de piano a commencé par cette phrase.
Comme j'ai appris son départ à la retraite,qu'on croyait impossible,
je ne savait pas quoi écrire sur la carte du nouvel an.
J'ai finalement juste ajouté une phrase: "vous nous manquez" .
Alors Mme Bonjean a tout compris.

Ce qu'elle m'a appris me sert beaucoup pour donner des cours aujourd'hui.

Regarder bien la partition avec ses yeux.
S'écouter avec ses oreilles.
Jouer avec son cœur.

Ce qui est le plus beau,c'est ce qui est le plus simple.


La prochaine fois,nous allons aller la voir.


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2010年1月22日金曜日

モノを造るための






そうだ絵を描こう!と思っても
えんぴつ、ペン、絵の具、クレヨンにパステル、
使いたい道具はたくさんあって
私のちいさな机の上は
あっという間に散らかってしまう。

それで憧れていた大きな作業台を買った。

私の実家では一階に父が絵を描いたり子供たちに
絵や工作を教えたりする大きなテーブルが、
二階にはバッグ作りにいそしむ母の
やっぱり大きな作業台がある。
いずれも食卓だったものだと思う。

我が家もふたりともモノ造りが大好きで退屈しない毎日だけど
作業台はとりあえず共用することにした。
昔一人暮らしをしていた頃にはちいさなダイニングテープルで
勉強したり手紙を書いたり絵を描いたり
とにかくなんでも済ませていたんだもの。
私にとってはこれだって立派なゼイタクだ。

さあ何をつくりましょう。

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2010年1月21日木曜日

そっと、そっと



いったいいくつの鉢をだめにしただろう。
もらうとすごく嬉しいけれど
ぜんぜん上手に咲かせられない胡蝶蘭。
この冬も旅行から帰って来たら
ぐったりしていて
もうだめかも‥と思ったけれど
かろうじてひとつだけ花をつけて
なんとか頑張って咲いてくれている。

今年は私、注意深くなりたいのです。
ドジ とか カタストロフ とか
天然 とか もう卒業したいのです。

まずはウワノソラをなおすことから。さて?






J'ai toujours beaucoup de mal avec les orchidées.
Mais pour instant il reste encore une fleur.

Mes ambitions de cet année;être attentionnée,ne plus faire de catastrophe

Croyez-moi!



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2010年1月19日火曜日

2010年1月17日日曜日

老いた音楽家が天使のふりをする



2003年にパリの日本文化会館で
クレーの絵に谷川俊太郎さんが詩をつけて
そこにご子息の賢作さんがピアノで音楽をつける
という朗読コンサートがあった。
先日のネコの本で懐かしくなって
プログラムを探しだした。


[老いた音楽家が天使のふりをする]

ほんのいっしゅん
てんしになったことがあった

ひとはみなせをむけて
どこかとおくへいってしまった
たぶんふかいもりのなかへ

てんしにたよらずにかんがえるために

みみにしたしいメロディだけが
ゆうぞらにただよっていた
つかのまのやすらぎ‥

そしてしぬひがきた

En 2003,j'ai assisté à un concert-lecture.
Le poète japonais, Shuntarô Tanikawa a récité ses poèmes
qui ont été inspirés par les tableaux de Paul Klee,
et son fils,Kensaku Tanikawa l'a accompagné avec sa musique.

"Quand le vieux musicien fait semblant d'être un ange"

L'espace d'un instant
il s'était retrouvé ange

Les hommes lui faussant compagnie
s'en sont allés très loin je ne sais ou
Peut-être au coeur d'une forêt profonde

Afin d'y réfléchir sans compter sur l'ange

Seule une mélodie familière aux oreilles
s'attardait dans le ciel du soir
Halte passagère...

Puis est venu le temps de mourir


/Shuntarô Tanikawa (Traduit par Dominique Palmé)




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2010年1月15日金曜日

ネコの本とテレザのパン



たしか高校生のときだったと思う。
誕生日だったかお見舞いだったかで
友達がプレゼントしてくれた本を、
この間パリのブックオフで偶然見つけた。

L'autre jour,j'ai trouvé un livre dans une librairie japonaise à Paris.
"Tout ce que j'avait besoin de savoir,je l'ai appris de mon chat"
C'était un livre qu'on m'avait offert il y a très longtemps.
Par nostalgie,je l'ai pris tout de suite dans mes mains.



いまは猫と暮らしているので
当時はわからなかったユーモアが身に染みる。
しかも和訳は谷川俊太郎さんだなんて
ちっとも覚えていなかった。
以前朗読コンサートでサインをもらって以来ファンなのに。

年末年始のバタバタで
すっかり怠けていたフランス語のレッスンを再開したので
今週はこの本を訳している。
ネコ好きのテレザもとても喜んでくれた。

Comme j'ai recommencé les cours de français,
j'ai décidé de traduire ce livre avec Theresa qui aime aussi les chats.
J'admire la vie d'un chat...



レッスンの帰り際にハイ、おみやげ!と渡してくれたのは、
やったーテレザの手作りパン!
隣村の粉屋さんで粉を買ってきて
オーブンで作るという彼女のパンは
本当に本当に美味しいのだ。

En rentrant,Theresa m'a donné du pain fait à la maison.
Le pain de Theresa;c'est vraiment excellent!



夕飯はお肉と野菜とお味噌汁をほんの少しずつ用意した。
この頃ごはんは毎日お鍋で炊いて、
なるべく軽めの夕食を心がけている。
そんなこんなで、今週もさらりと終わってゆきます。

Pour dîner,j'ai préparé un peu de viande,un peu de légumes,
et un peu de soupe.
Nous essayons de manger léger en ce moment.

La semaine va finir doucement...

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2010年1月14日木曜日

ミニ画伯展覧会

さいきんの贈り物です
Les cadeaux de mes petits peintres:


サロメ(6歳)
Salomé 6 ans

アガット(8歳)
Agathe 8 ans

カプシーヌ (6歳)
Capucine 6 ans

すばらしい!

Magnifique!


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2010年1月11日月曜日

それから



パリでは久しぶりの友人たちと会って
元気をもらった。
それでも昔みたいに真夜中まで遊んだりしない。
健康的な韓国料理を食べて散歩してお茶して解散。
いやー大人になっちゃったな。
家にいる夫はひとりで何を食べただろうか、なんて
思っちゃったりして。

パリはいつも同じ顔、と前回は思ったけれど
友人たちの状況も
パリの街並も
少しずつ少しずつ変わってきている。
ちょっと寂しかったのは
日本人の多いオペラ界隈をうろうろしたのに
知り合いに一度も会わなかったこと。
時間がないので連絡したくてもできない人たちと
ここでばったり会わないかなーなんて期待していたけれど
すれ違うのは見知らぬ顔ばかり。
帰国売りやアパート情報の張り紙を必死に見つめる若い女の子の姿に
昔の自分が重なって懐かしい気持ちになった。




La ferme-農園。
オペラにひとりで行ったとき
重たい買い物袋を持って
よくこの店に寄った。
いつも混んでいる大通りのスターバックスよりも
少し奥に入っていて
なんとなくひっそりしている。
ここでお茶を飲みながら買ったばかりの本を読むのが
気に入っていたのだ。

ひとつひとつ違う布の張ってある椅子や
味のある木のテーブルがかわいい。

こういうお店がいつまでもありますように。

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2010年1月10日日曜日

雪の日のさよなら


  
日本へ帰る母を送って再びパリへ。
また雪が降って電車はだいぶ遅れていた。
窓の外は一面の銀世界。
それを見つめる母の赤いセーター。
あっという間の3週間が終わろうとしている。



せっかくパリに出たので私はついでに一泊することになっていた。
空港からバスでオペラに出るとバーゲンの時期と重なって
ものすごい人ごみ。
急いで買い物を済ませて友人のアパートへ向かう。
彼のアパートの近くにはセーヌに架かる大きな橋がある。
寒いね寒いね、と言いながら橋に登ると
川の向こうにエッフェル塔がぼうっと立っていた。

Pour accompagner ma mère qui partait au Japon,
je suis remontée à Paris.
A cause de la neige,le train était de nouveau en retard.

Après son départ,je suis restée juste une nuit à Paris.

A côté de l'appartement de mon ami,
il y avait un pont.
J'ai vu la tour Eiffel sur la seine...

2010年1月3日日曜日

謹賀新年



バンドールのマミーの家で新年を迎えた。

ひたすら食べ続けるフランス人たちのパワーに
母は目を丸くしっぱなし。

先日立ち読みした雑誌によると
2010年の魚座は結構いけていた。

とりあえず私の厄年、もうすぐ終わるし!

ここ数年、後ろを振り向かずに
ひたすら突っ走って来た感が強いので
今年はもうちょっと足元を固めて
じっくりとゆきたい。
抱負はずばり、弱点の強化。弱点ありすぎだけど。

本年もどうぞよろしくお願いします。


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