2016年12月10日土曜日

先生という業



Merci à ma petite élève, au concert de Noël à l'église de Rognac hier soir...

昨夜、ロニャック市の教会で
9月から教えている学校の
クリスマスコンサートがあった。

私にとっては
ここでは初めて参加する行事。
クリスマスということで
はりきって
くるみ割り人形の連弾を3組、
小さい子から大きい子まで6人の生徒さんと準備をしてきた。

小さな教会に入りきらないほど
お客さんがいて、
舞台の3倍はある控え室に
興奮した子供達と
見守る先生たちの熱気が漂っていた。

私の大きな生徒さんのひとりは高校三年生。
連弾の他に
アンサンブルもするはずだった。

ところがフルートの先生から当日になって
彼女(私の生徒さん)が用意できていないのでキャンセルと
メールがきた。

え‥と、一瞬絶句して
生徒さんに連絡すると
昨日のリハーサルでうまくできなかったと言う。

たしかに本番の数日前に30分のリハーサルを2回だけって
難しいんじゃないかと思っていた。


決して器用な子ではないけれど頑張って練習していたし
アンサンブルを喜んでいたのに
どんなにがっかりしているだろうと気を病んだ。

気にしないで連弾がんばって!と
メールするとメルシーとすぐに返事がきた。

そして会場につくと
フルートの先生はトリツクシマってこのことか、というくらい
冷たい調子で
そういうわけで出さないから、だって。
リハーサルで緊張してたんでは?というと
知らないよ、でもダメだよ、あれじゃ

知らないよ?ダメだよ、あれじゃ?
って‥

はあ?ダメだと思ったらダメじゃなくするのが
教師の仕事じゃないの!?アンタ何様!?
ただの丸めがねの冴えないおっさんじゃないの!?

と、かなりカチンときたけれど黙っていた。

そして本番。
皆はちゃんと素敵にくるみ割り人形を弾いてくれた。

そして演奏後に例の高校三年生が
私のところにきて言った。

連弾、とっても楽しかったです。
またふたりでやりたいねって言ってるんで
面白い曲くださいね。

私は涙ぐみそうになってしまった。
なんていい子!
しかも連弾のパートナーは
別のアンサンブルに出ていたのに、
僻むこともなくまた一緒にと
ポジティブシンキング。
冴えないおっさん!と心の中で毒づいた私よりも
ずっと大人だ。

そうか、自分だけでなく大勢と仕事をする時には
いろんなことが起こるんだった。

でも私はどこにいてもやっぱり生徒さんとまず一番
仲良しでいたい。

上の絵はコンサートに出た9歳の女の子がくれた。

冬の音楽が聴こえてくる。


音楽の先生って皆さん
皮の鞄を持ってますね

と昨夜コンサート後に言われた
昔スペインで買った鞄。

そうかもしれない。