なんにしろ中毒はよくないと思って、
一ヶ月我慢した日本語の読書を解禁。
さっそく松本清張の短編集(松本清張にすぐ手を出すあたり飢えが見える、
それでも短編にしたあたり少しはセーブが効いている?)
を読んでいると『菊枕』、どこかで聞いた話だ。そして思い出す。女流俳人ぬい、となっているけれど
これは杉田久女!!この俳人を私は、田辺聖子の『花衣ぬぐやまつわる・・・わが愛の杉田久女』という本で
何年も前に知った。先日コンサートで演奏したヴェルレーヌの『月の光』には
たくさんの作曲家が曲をつけていて、私たちはフォーレとドビュッシーの比較をやったけれど(ふたりともこの詩を知るやいなや曲をつけたらしいが、だいぶ年上のフォーレが先に出版し、ドビュッシーは4年後にそれとはまったく異なる、明らかにフォーレを意識した曲を出版している)芸術家が
芸術家を呼び続けることで、良い作品は残っていくのかもしれない。
久女は美人で勝気で才能があり、けれど自負が強すぎて最後には狂った。
その人間臭さに惹かれる人も多いだろう。
だいたい悪役というのは非のないヒーローよりも人気がある。
自分の関係ないところにいれば、の話だけど。