2018年3月26日月曜日

触れる



今夜はちょいと嬉しい気分なり。

中学3年生になってから
レッスンを休みがちだった少女が

やめます

とお母さんと一緒に
最後のレッスンに来たのが
土曜の朝。

そして今日、
お母さんと生徒さん本人の
ふたりからメールが来た。

お母さんからは
土曜日のレッスンの後

ピアノが好き、やめたくないと
彼女が泣き出したこと、
それから
家に帰って
ずっとピアノを弾いていると
いうこと、そして
本人からメールが来ると思うので
読んであげてください

と書いてあった。



小さい頃から
あまり感情を出さない
クールな子なので
びっくりしていると

少し経ってメールが届いた。

ピアノがやっぱり大好き、
隔週でも良ければやはり続けたい

とあり、
最後に

あなたの言ってくれたことが
心に触れました

とあった。

ええと、なに言ったっけな。

べつに大したことを言った
覚えはなかった。

彼女は音楽的にもセンスが良く
頭のいい子なので飲み込みも早い。

今は学校の勉強で練習時間が
思うように取れないだろうから
毎週のレッスンが負担になるのは
わかる、
でも基礎はしっかりついてるから
ひとりでも大丈夫
また来たくなったらいつでもおいで

とかそんなこと‥

引き留めるのは得意じゃないし
心から思ったことを
言っただけだった。

心に触れる

というのは
フランス語の表現で

直訳するなら

あなたは私に触れました

となる。

長年同じ仕事をしていると

やり方が身についてしまって

言葉も滑るように出て来てしまう。

そして時々ハッとして
心を込め直す。

だって仕事のお相手は機械ではない。

誰ひとりとして同じでなく

同じ相手さえも
日々変化しているから。