2008年7月27日日曜日

夏に読む本『サマータイム』


もう15年くらい前になる。
地元の図書館で
佐藤多佳子の
『サマータイム』に
出会った。

数年前に古本屋で
文庫本を
見つけて再会し、
それ以来毎年
夏になると読んでいる。

夏の終わり、
小学校五年生の進は
どしゃ降りのプールで
ふたつ年上の光一に
出会う。
事故で片手を失った光一は
ジャズピアニストの母親を
持つ大人びた少年だった。
わがままでキレイな
姉の佳奈とともに
光一に惹かれてゆく
進だけれど
ある日連絡が途切れてしまう。

子供時代、夏は独特の
濃い空気を
持って迫ってきて、
だから
夏の終わりはいつも
得体の知れない喪失感に
襲われた。
この本を読むと
そんな心の風景が
鮮やかによみがえる。

文庫本には
『5月の道しるべ』
『9月の雨』
『ホワイト.ピアノ』
と3編の姉妹編が
収録されている。



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