3月5日、リストコンサート終了。 |
フランスでクラシックコンサートというと
教会で行われることも多いのに、
教会はお祈りの場であって娯楽の場所ではない、
という考えの神父さんもいて、
演奏許可を得るためには結構走り回ったのです。
実は4年前に私たちが結婚式を挙げた教会。
その時はカトリック教徒ではない、しかも日本人という
たぶんこの辺では異例の私を神父さんは快く受け入れてくれました。
その時の嬉しかった気持ちが残っていたので、
いろいろな人からあそこの教会はコンサートは無理
(例外は信者さんのたくさんいるアマチュアコーラスのグループだけ)と
言われながらもきっとわかってくれる!と粘って
会いに行ったり電話をしたりしてお願いしてきました。
また変な日本人が来た、という顔をしていた神父さんが
数ヶ月前にこれで最後!とダメ元で電話をしてみると
あっさりとじゃあ会いにおいでというお返事。
アポ取れたーーー!と喜ぶ私に
うそでしょ、、、と関係者一同びっくり。
教会宛に公式な手紙を書くように、と勧めていた役所の人たちも、
え?直接OKが出たの?とびっくりしていました。
何かを企画するときに、とにかく紙を出して!と
すぐにありったけの書類を要求し、アポを取るのも人を介して、と
小さなことを思いきりややこしくするフランス社会。
だけど、負けませんよーとしつこく行くと結構簡単に折れたりする
人間的な柔らかいところもあります。
これはビザなどにも言えることで
どうも、これだけ面倒なことを言えば諦めるだろう、というスタンスがあって
そこをクリアできるかどうかを見ている気がします。
小さいけれどとにかく美しい教会。
今回の演奏者である夫も
すばらしい環境で気持ちよく演奏できて嬉しそうでした。
どんなに疲れていても、どんなに緊張していても、
ああこんなところで弾けるなんて、とか
こんな人たちと演れるなんて、とか思って
ありがたい自由な気持ちになって自分を解放できる時がたまにあります。
本番前のここ数週間は毎月の土曜コンサートの企画
(ポスターやプログラム、ホームページの製作等はすべて彼が受け持っています)、
教える仕事、そして自分の演奏と
重なるストレスが極地に達してどうなることかと思ったけれど
いやいや、何かいつもよりいいじゃないの!というくらい集中して弾いてました。
もう学生の頃のようにいつもいつもピアノだけでいられるわけじゃない。
まず生活があって、そこにピアノもある。
やりたいことを優先してきたワガママ同士が一緒になったので、
その役割やリズムを造るのに時間がかかったふたりでしたが
周りの人生の先輩たちに助けられながら、
やっとすこしずつチームワークができてきて、
そしてお互いのやりたいことも尊重できるようになってきました。
同じ楽器って大変じゃない?とよく言われるけれど
今やっと、良いことも結構あるよ、と言えるかな。
ダンナはん、おつかれさま!
merci!