2011年4月19日火曜日

自分の強み

4月12日のル・モンド紙によると
パリの日本食レストランではお客さんが減って
[当店は安全の確認された食材を使用しています]という
張り紙も目につくという。
あーとうとうきた‥

ここ数年のフランスにおける日本ブームはちょっと異常なくらいで
パリのオペラ近辺のスーパーやレストランは
在仏の日本人よりもフランス人の方が多いくらいに、いつも混んでいた。

私だってこんな田舎にいたって日本の文化を紹介する仕事を頼まれたり
もしかしたら都会にいた時よりもかえって
日本人であることを意識することが多かったかもしれない。


ところで先日、数年前に日本に行ってすっかりファンになった、という友人が
エリコ、ちょうど車を買い替えるときだったからね、日本製の車にしようと思って
トヨタを買ったのよ!
と教えてくれて、あ、そういうのいいな、と思った。

いろいろ気張らなくっても、こういうやり方もある。

未だに食品は勿論、化粧品やヒートテック、子供たちにあげるシールなど日本製品に
頼り切っいるけれど、こうやって少しでも日本経済に参加していると思えば悪くない。

しかし車を買い替える予算はないので
せめて漫画(ガタッ)を買いました。

ずっと前に友達が教えてくれて気になっていた
『聖☆おにいさん』Les vacances de Jésus& Bouddha
ブッダとイエスが立川のアパートで同居して東京のバカンスを過ごすという
なんともゆるいお話。
立川って私が大学時代を過ごしたところ、良く知ってるだけにおかしさも倍増。
微妙な会話が多いので
たぶん日本語だともっとおもしろいとおもう。




nodame.jpg
そしてこれはもうたくさんの人から薦められていた
『のだめカンタービレ』Nodame Cantabile
あまのじゃくでずっと読んでいなかったのだけど
買ってみたらほんとにおもしろい!
音大生の日常そのもの。。
続けて買ってしまいそうです。


(どうも気分が乗らないときのフランス語の勉強にもおすすめです、MANGA!)

そして昨日の糸井重里さんの『ほぼ日』エッセイ↓

この文章を読んで私はとても勇気が出た。
ああそうか、まじめな日本人なんていう表面的なことを
おだてられて強みみたいに思ってきたけれど
もっと目に見えないところで勝負しなくてはいけないんだ。
地震から毎日たくさんの生徒さんや仕事関係の人にいろいろと聞かれたけれど
ぜんぜん何も言わなかった人もいる。逆に言えば
彼らは私が日本人なんてことを意識せずに
個人として仕事をしてきたわけで、
それはそれでありがたいことなのかもしれない。


・ほんとうの意味で、じぶんの「強み」というものを、
発見できたら、こんなにいいことはないです。
これは、なかなかわからないものなんだと思います。

昨日、ここで紹介させてもらった
味噌醤油をつくってきた老舗の会社とは、
陸前高田市の「株式会社八木澤商店」さんですが、
この会社の「強み」というのも、
こんな災害になってわかることなのですが、
津波に荒らされて使えなくなってしまった
工場の「設備」じゃなかったのかもしれません。
だって、設備がなくなっても、
臨時の本拠をまったく別の自動車学校に借りて、
再建しようとしているのですから。
この会社は、「設備」がない状態で生きているのです。

ぼくが、知ったような顔をして言うのは恐縮なのですが、
この会社の「強み」とは、たぶん、
これまでに築いてきた「人のつながり」だとか、
お客さまや関係者の「信用」だとか、
そんなふうな目に見えないもののほうだと思うのです。
「設備」があるときには、
その「設備」がいい商品をつくっている「強み」に、
見えていたのかもしれません。
でも、それが失われても、
会社が生きていたのですから‥‥。

・「強み」を活かすことが、
いちばんいい仕事のやり方ではあります。
ただ、ほんとうに「強み」を知るのはむつかしい。
個人でも、組織でも、それは同じです。
じぶんたちが「強み」だと思っているところに、
あるいは人が「強み」だと言ってくれているところに、
必ずしも「強み」はないんですよね。

これだけがおれたちの「強み」だから、
これだけは失ってはいけない‥‥なんて思ってても、
それが「強み」じゃなくて、
ひとつの材料にしか過ぎないなんてことが、
けっこうあるんじゃないかなぁ。
それは、日本というチームにも言えそうです。









 




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