
東京の友人から小包が届いた。それは本当に小包という感じのクラフト紙と紐でしっかり守られた包みで、すぐに日本からだと思った。かわいい紙箪笥のなかには目をみはるような鮮やかな和菓子、そしてきれいな缶に入ったお茶。
粋だなあ。ヨーロッパはここ数年すっかり東洋ブームで和食器もよく見かけるけれど、どうもアジアのいろんな国のイメージがごちゃ混ぜになっていて、あの日本の繊細さに出会うことは稀だ。ああーうっとり。食べるのがもったいない。



























昔、受験勉強の一環で「遊びについて」という小論文を書いたことがある。芸術はいつも遊び心から生まれる、とかなんとか書いたように思うのだけど、たいした人生経験のない高校生が机の上でひねり出した言葉に重みはなかった。それでも今そんなことを思い出したのは最近、幼児教育という新しい分野の仕事をしているからだ。遊びながら聴覚を発達させていろいろな感覚を目覚めさせる、想像力を養う、・・・といろいろ目的があるらしいけど、私の願うところはただひとつ。注意深く耳を澄まして、ただただ音楽を好きになってほしい。形のないあやふやなものに取り憑かれるのも悪くない。目に見えなくてもひとつのことにじっくり取り組むと、それが糧になって自分を支えてくれることがある。それは他人(論文だと他者、というところ)に手を差し伸べられたのではどうしてもダメで、自分の内側からだけ湧き出てくるものだ。単に結果や目的ではなく、音楽がずっとその人の人生に寄り添って助けになるといい。そのスタートをいいものにしたい。
ここコルニヨン・コンフーは丘の上にそびえたつ。さっき歩いていたら夕方の冷たく澄んだ空気に、なだらかな景色が遠くまで遠くまで続いていた。こういう自然の中で暮らしたことがないので、時々信じ難くハッとする。



作るより食べる方が好き!と言い続けてきた私だけれど、なんだか最近作るのも楽しい。今週は彼のおばあちゃん、マミーにフランスの家庭料理を習っている。冷蔵庫にあるものでちゃちゃっと作って美味しいもの、それが本当の家庭料理だと思う。そしてお肉を使わなくてもおなかっていっぱいになるもんなんだな。①ズッキーニのオムレツ:ズッキーニの皮をむき、輪切りにする。フライパンに油をいれ、ズッキーニを浸して蓋をする。ニンニクを加えて香りをつけ、時々かきまぜながらキツネ色になるまでおく。卵をボールに割りいれ、塩コショウし、フライパンにかぶせて一緒に焼く。とろとろの半熟めが美味しい。②ネギのベシャメルソースがけ:ネギを4等分に切り、柔らかくなるまで煮る。ベシャメルソース→牛乳半カップ、粉末ミルク大さじ3、水半カップを小さい鍋にいれ、バターを加えて火にかける。バターを少しずつヘラでとかす。小麦粉大さじ1を加え、泡だて器でダマにならないようにかき混ぜる。(あれば)ナツメグを一掴み入れると香りが出る。プロセスチーズを適当に加えて混ぜる。火からおろしグラタン皿にしいたネギにベシャメルソースをかけ、チーズをかぶせてオーブンで30分こんがり焼く。バターライスとよく合う。