2010年10月9日土曜日

オーケストラの職人たち 

指揮者の岩城宏之氏の本『オーケストラの職人たち』を読んだ。





楽器の引っ越し屋さん、調律師さん、楽譜を書き写す写譜屋さん、
オーケストラの旅行に付き添うお医者さん‥など
舞台の裏側で音楽家たちを支える人たちのことが
とても詳しく、そしてわかりやすく描かれている。

たとえば戦後の日本にハープという楽器を浸透させた
オーストリア人ハーピストによって
その運命を変えてしまった東京の運送会社。


最初は誰にも相手にされなかったのに
今では都内にビルを構える、
音楽会のチラシを配る会社を創立した社長さん。

そんなふうに、あんまり知られていない(と思う)、
だけど音楽業界になくてはならない存在に光をあてるなんて
すごく粋だ。

どんな仕事もプロフェッショナルというのはかっこいい。

そして分業の大切さ。

というのも現在、私たちは役所と観光局との共催で
11月から6月まで月いちでコンサートを企画することになっていて
その準備でテンテコマイなのだ。

予算は出してもらえるのだけれど
あとはヨロシク、という話で
企画を立てて演奏家を呼んで、宣伝して、楽器を借りて
ホールを決めて‥時には演奏もして、と

そりゃあ大きな音楽会とは規模がぜんぜん違うけれど
やることは限りなくあり、
ああ分業かあ、、と憧れちゃうんである。

とはいえゼロから始めた企画なので、
3年かかってやっとここまで漕ぎつけた、
(今までは春〜夏だけだった)
という感じ。

当日はやっぱりいろいろな人たちに助けてもらっているし。

でもでも。。。

分業なんてゼイタクな日がいつか来るのかしらん?!