2010年4月28日水曜日

無所属人間




家族以外の人間関係が希薄になって随分経つ。
希薄なんて寂しいみたいだけど
これで随分楽になった。

子供の頃からグループとかコミュニティが大の苦手で
つねに無所属でいたいと思ってきたのだけど
例えば留学したばかりの頃はそういう自分のスタンスを忘れるくらい
不安やあせりがあって
たくさんの人に甘えてしまった。甘えていたから
自分の考えなのか周りの影響なのか、
もうわからないまま流されて、事態はいつも悪化した。
そこまで気持ちがくすんでいることに
気づく余裕もなかったのだ。

うわさ話や不幸自慢で繋がっている関係は嘘だ。
何でも報告し合うことが友情だなんて私はちっとも信じない。
綻びのない人なんていないし、恵まれているように見える人は
やっぱりそうなる努力をしているんだと思う。

友達でも近所の人でも、天気やペットの話をしてたらいいのよ、と
人間関係で躓く度に母は私に言った。
人の悪口や自慢話のつけは必ず返ってくる、と父はいつも口にしていた。
例えば音楽の道を支えてくれた、というような判りやすい事実よりも
もっと深く、この言葉を私の中に根付かせてくれた両親に感謝している。


電話もメールも殆どしない私には、ありがたいことに
それでも信頼できる心の友が何人かいて
数日ぶりでも数年ぶりでも会えば情熱的に何時間も話が弾む。

そして現在私は人口1300人の小さな村の中で
日本人の音楽家というこれ以上ないくらいの無所属さ、気楽さで
人と付き合っていられる。
小さな村だからこそ派閥争いは絶えず、ここで仕事をする限り少なからず影響はある。
それでも誰かについていくんではなく
できるだけ自分で考えて行動したいと思っている。
それだけで物事はずいぶんシンプルになるんじゃないだろうか。

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