2010年4月22日木曜日

村の音楽家



ひさしぶりに赤ちゃんクラブの仕事に行った。

会場のちかくに小さな川があって天気の良い日はキラキラ光っている。
キラキラ光る水を見ながら赤ちゃんたちは声をたてて笑っている。

私は道具のたくさん入ったトランクを引いて
そのキラキラの輪の中に威勢良くこんにちはーと入って行く。
保母さんたちがニコニコ笑って、
ほら音楽家さんが来たよーと赤ちゃんたちに言う。

ピアノを教えて10年以上になる。

今でもピアノと歌の先生をしている実家の母のことを
正直言うと思春期の頃は

音楽一筋なんて世間知らずみたいで格好わるいなあ

と思っていたし

地元を歩けば小さな街なので
ピアノの先生の娘さんと言われて
変な格好もできないし!(してたけど)と憤慨していたのに
今では育ったところよりも更に閉鎖的な社会で
音楽と関わって生きている。
母が私たち家族には決して言わなかった苦労も、それから喜びも、
今ではすごくわかる。

町のピアノの先生にはなるまい、と思っていたのに
今では小さな村の音楽家で
そして結構幸せです。

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