2011年6月22日水曜日

お祭りの日の音楽について


昨日はFête de la musique音楽のお祭りの日でした
フランス中で音楽会が行われ
街頭で音楽が聴こえてきます。

私自身は、夫の勤める音楽学校の主催するお祭りに参加していました。
音楽、スポーツ、ダンス、演劇などをひっくるめて役所が経営している
学校なので大人数です。
このお祭りで、子供達の演奏の後に私たちも少し連弾することになっていました。

なんといってもお祭りなので、ステージの脇で
父兄会がバーベキューをして
子供達は走り回って遊んでいます。

そりゃ興奮するはず。

日本でいったら盆踊りとか花火大会みたいな町内のヒトが皆出て来たような
お祭りです。

演奏といっても、もちろんバーベキューの横にピアノを置く訳にもいかず、
ヤマハのキーボード。
割り切ってしまえばいいのだけど、
やっぱり皆が食べたり飲んだりタバコを吸って
わーわー言ってる中で
一生懸命練習した曲を弾いている子供達は
なんだかかわいそうだった。
そうかというと、ちゃんと聞けー!
なんて突然怒りだすおじさんがいて
よけいしらけたりして、
私たちの演奏も、あまりクラシックじゃない曲ばっかりやったけれど

連弾というスタイル自体がやっぱりこういう場には似合わず
なんだか中途半端。


それに比べて、この日のために呼ばれていたディキシーランドジャズや
アフリカンパーカッションのグループは
さすがに慣れていて
みんな聴いていないようで所々で拍手をしたり、
かけ声をかけて参加したり一緒に踊りだしたりして
盛り上がっています。

要するにこういうお祭りにぴったりな心地よい音楽。

彼らはレストランや街頭での演奏に慣れた、
そして
ちゃんとそのための訓練を受けたお祭りの音楽のプロなのですね。


コンサート会場や録音でも
静かに、けれど能動的に耳を澄ます音楽と
待っていないときに向こうからやってきてハッとしたり
またはそのなかに浸かっていると心地の良い受動的に聴く音楽があります。

ただ、人前で演奏して誰かと音楽を共有する喜びを覚え始めたばかりの子供達には
本番に取り組むまじめな気持ちをすり減らしてほしくないな、
と思いました。

たとえば盆踊り大会で子供達が
太鼓を叩いて皆がその音楽に合わせて踊っている、
それなら
また別の喜びもあると思うけれど‥
それでも主催者の人たちは嬉しそうにニコニコしていたし、
ちゃんと発表会はべつにあるのだし、
そこまで深く考えることじゃないのかもしれない。


たくさんの人が集まったとき
みんなが同様に喜んでいる状態は難しいね、と話しながら帰りました。
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